言葉と、言葉にならないことと。

今日もお休みのさぁちゃんは、
目が覚めた時間は早かったのですが、
うつらうつらとしばらくベッドから出てきませんでした。

そろそろ起きたらよいんじゃなーいって、
ボクが一生懸命声をかけていましたら、
一通のメールで、
さぁちゃんは飛び起きたのでした。
なんでも、さぁちゃんの大好きなはぎもりさんから、
熱烈な言葉が届いたんですって。

言葉が私を生かすよと言って、
ちょっと涙目になったさぁちゃんが、
カーテンを開けてくれましたら、
お日様がきらきら眩しくて、
やっぱり今日もボクは、
幸せぱっかんしました。





さぁちゃんは今日ずっと、
ボクと一緒に過ごしてくれまして、
とても嬉しかったです。

ぺっろーん。





しようと思っていたことや、
したいと思っていたことは、
なにひとつしなかったようですが、
久しぶりにゆっくりじっくり読書ができて、
それはそれで有意義だったみたい。

ボクは、
リビングでごろごろしながら読書するさぁちゃんの、
お股にはさまって、
ぬくぬくできて幸せだったのです。





読書を終える頃には、
窓の外はすっかり闇に浸っていました。

あの時、
言葉にすればよかったと思うこともあれば、
言葉にしなければよかったと思うこともあるけれど、
言葉にならないこともあるし、
そんなことを言ったって、
やっぱり言葉じゃないと伝えられないことがあるんだと、
本を閉じたさぁちゃんが言いました。

だけど、本当にそうなのかな？
言葉にならない想いがあって、
それを伝えられてもいるはずよねと、
自問自答のように、
さぁちゃんがつぶやきました。
喜びも悲しみも、
怒りも虚無もすべてが相まって、
ここに居るしかないからと。

それから、
あぁいう子は、
どうしているのかねって、
おもむろにさぁちゃんが言いました。
ちょっとーって声をかけるけれども、
ずっと言葉を交わせる相手がいない、
あのネコさん。





ボクはさぁちゃんと、
ずっとたくさんおしゃべりしているのですが、
それでも言葉にできること、
できないことがあるように思って、
ちょっぴり続く、
心のちっくんがあります。


そんなボクのまいにち。
わかりあえないからこそ、
わかりあいたいって願うんです。


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すべてが見えるわけではないのです。

昨日の夜は、
うえの先生、あんぼ先生、
はじめちゃん、いきさん、あべさんに、
さぁちゃんはお誕生日をお祝いしていただたそうです。

うえの先生に、
もう34歳！？って驚かれて、
せっかく綺麗なのに人生終わってるって言われたぞと、
さぁちゃんがけたけた笑っていました。

あんぼ先生には10年くらい前に、
こんな変態に久しぶりに会ったと言われたこと、
忘れてないですからねって言ってやった！！と、
またさぁちゃんは笑って、
誕生日プレゼントだってコーヒーもらったのよって、
見せてくれました。





とりあえず結論は、
私は変態で面倒くさい女ってことだったわと、
思い出し笑いをしていたさぁちゃんに、
そんなんでよいのかなと思いながら、
大学の先生たちって、
ずいぶん自由なんですねと、
ボクはちょっと拍子抜け。

変態って呼ばれて喜ぶさぁちゃんも困ったものです。





夕方、また『Woman』を見ながら泣くさぁちゃんは、
花ふきんをちくちくしていました。

ボクは一緒に遊びたくなりまして、
がーぶってしましたら、
さぁちゃんがきゃーって叫びました。

あご力には自信があります。





18時からさぁちゃんは、
また熱心にピアノを練習していました。
ボクも寝室に駆けつけまして、
ベッドで寝ていましたら、
気がついたさぁちゃんに、
うるさくない？って質問されました。

ん。
平気。
ピアノの音は好きです。





みーたん、寒いからお布団で寝るのねと、
ピアノが終わってから、
さぁちゃんにちゅぅされました。

それから、
そういえば田代島の子たちは、
寒くなったらどうやって過ごすのかなと、
さぁちゃんがつぶやきました。





結局我々は、
見たいものしか見ようとしないし、
理解した気になっているだけで、
目の前にいる存在の真の姿を、
決して知るよしもないと、
さぁちゃんが言っていました。


そんなボクのまいにち。
ボクは、
自分で見て、聞いたことしか信じませんけどね。


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有限と海。

帰ってきたさぁちゃんが、
お月様が消えちゃったよって言いますので、
えー！？
どういうことーーって聞きましたら、
今夜はこの星とお月様が重なるのよと、
さぁちゃんが言いました。

ミシェルにも見えるかなぁと、
窓に近づいて行ったさぁちゃんが、
あんれー！！って驚いたので、
どうしましたかーって駈けつけましたら、
危ないよって全力で止められました。

実は今日、
お留守番をしているあいだ、
さぁちゃんのガラスの瓶を割ってしまったのです。





何度も落としていたから、
弱っていたのかなぁと言いながら、
怪我はない？って、
たくさんさぁちゃんに体を触られました。

ボク悪くない。
ボク、悪くないもん。





ガラスの破片を急いで片付けたさぁちゃんは、
別にみーたんが悪いだなんて思っていないよ、
それより怪我がなかったならよいんだよって、
たくさんなでなでしてくれました。

それから、全力で遊ぼうよってお誘いされまして、
さぁちゃんと一緒にカシャブンで、
うっほほーいって遊びました。





わっきゃー！！





それからさぁちゃんは、
何事にも限りがあるのだよって教えてくれました。

形あるものはいずれ壊れてしまうし、
明日が、いつものようにやってくるとは限らないし、
今がずっと続くわけではないし、
今度会った時にって思ったって、
今度はないかもしれないし、
だから今この瞬間に伝えたいことがあるって。

そうしておもむろに、
先月行った田代島で、
海を見つめるネコさんのことを思い出したそうです。





あの子はきっとずっと、
あそこでまいにち海を眺めているんだって。
時化ても凪いでも、
変わっても変わりなくても、
それはあの子の場所だからって。





物心がついた頃から漠然と海が怖くてね、
のぶよしさんが海で死んで、
震災があって、
いろんな命が生まれて飲まれると思うと、
海のうねりは怪物のようだって、
さぁちゃんが言いました。

同時に、
夏の終わりの田代島で見た海のように、
ある晴れた日に、
さぁちゃんパパと一緒に釣りをしたことを思い出して、
海を見ているネコさんになりたいと、
さぁちゃんは思ったようでした。

ちなみに、
ボクも初めて聞きましたが、
のぶよしさんっていうのは、
さぁちゃんパパのことらしいです。





ボクはきっと、海で生きたいとなんて思うことはないと思います。
さぁちゃんも、
盆地生まれだから、海は性に合わないって笑っていました。

今度海に行く時には、
怖さが減っているとよいなぁと、
さぁちゃんがひとりごとを言っていました。
きっと、ろんちゃんと一緒だから平気だねって。


そんなボクのまいにち。
今、伝えないと、
もう、伝えられないかもしれない。


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一緒にいること＆田代島ものがたり、その5。

帰って来たさぁちゃんが、
リビングの電気をつけてすぐ、
あははーって大笑いしました。

今日はカーテンで遊んでいたの？って、
笑いながらボクのことを、
さぁちゃんはたくさんなでなでしました。





とっても楽しく遊んでいたのねと、
さぁちゃんがうれしそうに言いますけど、
ボクはひとりで遊ぶよりも、
やっぱりさぁちゃんと一緒に遊ぶのが最高だと思います。

ね、早くあそぼ。





さて、今夜は田代島第5弾。

海辺から、少しずつ内側に移動していると、
とてもキレイな黒茶さんに出会って、
しばらく遊んだそうです。

そこのヒト、遊んであげるよ。





こっちで遊んでもよいよー。





あ！
ヒトだー！！
寝ていたけど、そっち行ってあげる。





島ネコさんはさすがヒト慣れしているなぁと、
さぁちゃんはたいそう感心したそうですが、
ここまで懐っこい子には、
心うばわれるーって、
興奮したそうでした。

すりすり。
好きすき。
ひとめぼれです。
もっと、一緒にいましょぅ。





でもね、さぁちゃん。
お外でどんな素敵な出会いがあったって、
まいほーむでボクと一緒にいることが一番じゃない？
って聞きましたら、
その通りだよ、
どんなに素敵な存在が溢れていたって、
私はまいにち、
この瞬間にも、ミシェルに心奪われ続けてるよと、
さぁちゃんは言いました。

ボクも、すき。





一緒にいるからわかること、
一緒にいないからわかること、
そういういろんなことがあって、
究極的には、
一緒にいるのがよいのかも。


そんなボクのまいにち。
ボクはいつだって、
さぁちゃんのそばにいてあげる。



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田代島ものがたり、その4。

帰って来たさぁちゃんが、
今日も忙しかったけれど、
思うこと、感じることが多かったなぁと言いました。

そーぅ？
さぁちゃんはまいにち、
ボクの知らないところで忙しいんですねぇ。





引き続き、田代島ものがたり。


フェリーを降りてから、
ネコさんが次々出現するので、
なかなか海辺から離れられなかったらしいです。
気がつくと、あちこちにネコさん。

おーぅ、こんにちはーー。
のしのし。





こんにちはーって、
さぁちゃんがお返事したらすぐ、
横から、こんにちはーって聞こえたそうで、
見てみたら、ニューネコさん。





君もきれいだねって声をかけたら、
後ろからまた、
こんにちはーって声をかけられて、
振り返ったら、また他のネコさん。

おねぃさん、どこからきた？





それから足元を見たら、
またまたネコさん！

ねぇ、あなた、
どこから来たの？？





質問ぜめがこんなに幸せだなんてーっと、
さぁちゃんは大興奮していたそうです。

あのヒト、単純だね。
そうだね。
僕らきょうだいには、
あんまり関係ないね。





あーん、離れがたしーって、
皆さんにお別れを告げたさぁちゃんの後を、
島ネコさんたちは、
もっと遊んでよーって追いかけてきたそうです。

わらわら。





さぁちゃんってば、
あちこちで、
愛情ふりまいていませんかー！？





なに言っているの？
みーたんを一番好きに決まっているしーって、
さぁちゃんがぶーぶー言いますから、
ぶーぶー言いたいのはボクですって思いました。





まったく余談ですが、
iPodが同期できなくなって、
昨日の夜からさぁちゃんが、
音楽に飢えて死にそうらしいです。


そんなボクのまいにち。
島ネコさんには負けないぞー。


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